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軽減税率が適用された場合の新たな益税問題

2016年4月25日
日記

 今日は消費税申告方法のひとつである簡易課税制度を利用している場合の、軽減税率がもたらす新たな益税問題について触れたいと思います。少し専門性が要求されるため、なるべく平易な表現をしています。正確な表現でない部分もあるかもしれませんが、予めご了承ください。

 この問題を押さえるにはまず、簡易課税制度を理解する必要があります。本来商売をしている事業者は、商品を仕入れたり、経費を支払った際に相手に払っている消費税と商品や物を売った際に受け取っている消費税を集計して、差額を税金として納めることとなっています。そこに損得という状況は発生しません。

 しかしながら、ある一定以下の年商(課税売上高5千万以下)事業者の場合は、受け取った方の消費税分だけ集計して、その集計額に一定の比率(「みなし仕入率」)を乗じて計算した額を支払った消費税として、その差額を税金として納める方法も認められています。これを簡易課税制度と言います。「中小事業者の事務負担への配慮から設けられている措置」とされています。

 今までは、実際に支払った消費税額よりも「みなし率」を乗じて計算した「みなし支払消費税額」(筆者の造語です)のほうが大きければ、事業者の益税となり問題視されてきました。つまり、実際の仕入経費率とみなし仕入経費率に差が生じることが問題の所在となっていました。

 ところが今回の一体資産にかかる軽減税率の適用は、実際の仕入経費率とみなし仕入経費率に差がなくても、新たな益税問題を生む可能性があります。

 この点については、一体資産とは何かや軽減税率の適用方法などに触れる必要があります。次回、簡単な例をもとにその内容を解説し、新たな益税について書いていきたいと思います。

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